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実機レビュー

Even G2&R1 1週間レビュー

結論から言おう。この10万円のスマートグラス、Even G2は、120点だ。

Naoki ·

初出:note · 本文・写真をnoteから転載しています。

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結論から言おう。この10万円のスマートグラス、Even G2は、120点だ。

ただし条件付きで。

この記事について

2025年11月、Even G2 の発売前に「Even G2 を買うか悩んでるお前へ」という記事を書いた。まだ手元に届いてもいないのに「買え」と断言した記事だ。

あれから実際に購入して1週間。スペックと哲学だけで確信した勢いの購入の答え合わせ、やっていく。

前回の記事を読んだ人には「あの話、実際どうだった?」の回答を。初めてこの記事を読む人には「Even G2 って結局どうなの?」の実機レビューを。両方兼ねた記事にする。

奥がEven G2、手前がEven G1
奥がEven G2、手前がEven G1

そもそも Even G2 とは何か

知ってる人は飛ばしてくれ。

Even G2&R1 1週間レビューの写真 2

Even G2 は、Even Realities が開発したディスプレイ搭載スマートグラスだ。見た目は普通のメガネ。だがレンズの奥に MicroLED ディスプレイが仕込まれていて、視界にリアルタイムで情報が浮かぶ。公式サイトの画像が以下のものだが、誇張なしでこのままの現実だ。

通知、ナビ、翻訳、AIアシスタント。スマホを取り出さずに、視線の先で全部完結する。

カメラは載っていない。スピーカーも載っていない。CEO の Will Wang(元 Apple Watch 開発チーム)が「毎日8時間以上着けられること」を最優先にした結果、視覚に特化した引き算のデザインにたどり着いた。重くて多機能なデバイスは引き出しの肥やしになる。

その思想に私は共感している。最近のスマートグラスはロマンに降りすぎてカメラを乗っけてフルカラーにして8時間も持たないものも多く存在する。その中で本質的価値を見極めて引き算をしたこの製品のコンセプト自体に私は感動している。

前モデルの Even G1 を毎日使い倒してきた。G2 はその正当進化。価格は 99,800円。今回は専用スマートリング Even R1(41,800円) も同時に発売された。

1週間使った結論

メガネユーザーなら、買え。 この結論は前回から変わらない。むしろ確信が深まった。

現状で最も実用的なスマートグラスは、Even G2 だ。

G1 は革命的だったが、正直「及第点」という感覚もあった。G2 はその不満をひとつひとつ潰してきている。もう G1 には戻れない。

ただし、裸眼の人には話が変わる。その話は後でする。

答え合わせ①:「普通のメガネと区別がつかない」

前回の自分:

テンプルの厚みが53%も薄くなった。G2 はもはや普通のメガネと区別がつかないレベルだろう。「デバイスを装着している」というノイズが完全に消える。

判定:正解。というかG1より明らかに良い。

Even G2&R1 1週間レビューの写真 3

リムが薄くなった。これは見た目だけの話じゃない。側圧が弱くなって、装着感が明確に快適になった。G1 でも「誰にもバレない」と書いたが、G2 はさらにその上をいく。

「デバイスを装着している」というノイズが消えるどころか、メガネとしての快適さすら上がっている。前回「この改善は確実に私を飼い慣らすだろう」と書いたが、完全に飼い慣らされた。もうG1には戻れない。

公称は約36g(フレーム単体)だが、同じ度付きレンズを入れた状態で実測してみた。

重量(度付きレンズ込み)Even G147.3g Even G245.7g
重量(度付きレンズ込み)Even G147.3g Even G245.7g

差は約1.6g。数字だけ見ると誤差に思えるかもしれない。だがこれはメガネの話だ。顔に乗せて朝から晩まで着けるものの差は、手に持つスマホの差とはわけが違う。

しかも G2 はテンプルが53%薄くなったことで、数字以上に軽く感じる。側圧が減った分、「顔に乗っている」感覚自体が薄い。実際、1日10時間以上かけていても不快感がない。鼻パッドの跡が残るとか、こめかみが痛くなるとか、そういう「メガネあるある」のストレスがほとんどない。普通のメガネと同じかそれ以上に快適だ。G1は人によっては側圧や重さを訴えていたが、かなり快適になった。

形状はパンタ型とスクエア型の2種類。カラーはグレー、ブラウン、グリーンの3色。私はスクエア型のグレーを選んだ。

素材はフレームがマグネシウム合金、テンプル(つる)がフルチタン。テンプルの厚みは G1 比で53%削減。G1を使ってた私は最初に手を取った時に「薄っ」と声が出た。

この薄さでタッチセンサーとバッテリーを内蔵しているのだから、エンジニアリングの執念を感じる。

答え合わせ②:「見えないストレスから完全に解放される」

前回の自分:

表示領域が75%拡大。輝度も上がり、「見えない」ストレスから完全に解放され、真の意味で「常時接続」が可能になるはずだ。

判定:ほぼ正解。ただし「完全に」は言い過ぎだった。

表示範囲が2倍近くデカくなったのは革命的だ。これは数字で言われてもピンとこないだろうが、実際に見ると世界が違う。G1 では「チラ見」だった情報が、G2 では「視界の一部」になる。この差はデカい。

Even G2&R1 1週間レビューの写真 5

実際に投影しているのを接写したらこんな感じだ。見えるときは公式のイメージ画像くらいはでかい。小さくて見えないなんてことは全くない

Even G2&R1 1週間レビューの写真 6

解像度の縦方向が 200→350 に拡大したことで、翻訳テキストや通知が1画面に収まる量が圧倒的に増えた。G1 の表示は「通知をチラ見するための小窓」だったが、G2 は「視界の中に情報レイヤーがある」感覚になる。後ほどテレプロンプタの表示領域の比較はする。

リフレッシュレートが 60Hz になったのも地味に大きい。テキストのスクロールがなめらかになって、目の疲れが減った。G1 はカクカクした紙芝居感があったが、G2 は自然に流れる。単色表示なら60Hzで十分すぎるほどだ。別にここで映画を見るわけでもゲームをするわけでもないのだから

輝度 1,200 nit は屋内なら十分すぎる。日本語フォントも自然で、海外製スマートグラスにありがちな中華フォント問題(明朝体が混ざる等)はない。違和感なく読める。

ただし、快晴の屋外ではサングラスクリップはまだ欲しい。輝度自体は上がったし、画面の範囲が広くなった分、見やすさは確実に改善された。しかし直射日光下では、あった方が快適だ。

Even G2 with G1 Sunglass Clip
Even G2 with G1 Sunglass Clip

G1 のクリップもギリギリ使える。ただ完全にフィットはしないので、気になる人は G2 用のクリップを一緒に買った方がいい。

とはいえ今は冬で、サングラスクリップの出番はそんなにない。夏になれば評価が変わるかもしれないが、少なくとも「改善した」のは間違いない。前回の自分が「完全に解放」と言ったのは盛りすぎだが、方向性は合っていた。

答え合わせ③:「知性の拡張」

前回の自分:

会話サポート機能。専門用語や人名をAIが補足表示。これはもはや「カンペ」ではない。「知性の拡張」だ。訳知り顔で誤魔化してスマホでググるあの気まずい時間は、過去のものになる。

判定:方向性は正解。精度はG1からやや改善。

翻訳機能はがっつり使った。YouTube の英語動画、海外ニュース、ポッドキャスト。複数の場面で試した。

ライブ翻訳  

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精度は G1 から「やや改善」という印象だ。劇的に変わったわけではないが、着実に良くなっている。表示領域が広がったおかげで、翻訳テキストが読みやすくなったのが地味に大きい。以前は小さい窓に詰め込まれていた字幕が、余裕を持って表示される。

会話サポート

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結構面白い機能で話してる文字起こしを表示し、それを要約もしてくれる。専門用語とかあったらそのキーワードを文脈から抽出して解説もしてくれる。あとでその文字起こしを確認することもできるし、要約も出せる。意外と精度が高くて、この発表の"Zenz"という独自モデルを正確に文字起こしして、正しい説明をしている。

Even G2&R1 1週間レビューの写真 8

会議でよくある「さっきからとかSQLとか言ってるけど正直忘れた。なんだっけその意味」みたいな時にさりげなくアシストしてくれる。イキった横文字も解説してくれるし割と便利機能だ。

「知性の拡張」とまで言ったのは、現段階ではまだ大げさかもしれない。だがこの会話サポート機能は確かに面白いし、未来を感じる。翻訳がさらに強化されれば、本当に「知性の拡張」と呼べる日が来るだろう。今はその入口に立っている感覚だ。

答え合わせ④:「他人に悟られずにデジタル世界を操作する」

前回の自分:

指輪なら手元でさりげなくタップやスワイプをするだけ。ポケットに手を入れたままでも、腕を組んだままでもいい。「他人に悟られずにデジタル世界を操作する」感覚。

判定:120点。前回の自分、控えめだった。

Even R1、マジでいい。

G1 のテンプルタッチ操作の問題を前回の記事で散々書いた。会話中にメガネを触ると怪しまれる。夏場に汗で反応が悪くなる。対策で短髪にした。

R1 はそのすべてを解決した。特に移動中の操作が最高だ。歩きながら、電車に乗りながら、手元でサッと操作できる。メガネのつるに手を伸ばす「あの動作」から解放される快感。これは使った人にしかわからない。

そしてG2本体のタッチセンサーも検知性能が向上していると感じる。つまり R1 を使わなくても G1 より操作しやすいのだが、R1 があるとさらにもう一段階上の体験になる。

Even R1 スペック

素材:ジルコニアセラミック + ステンレス 重量:実測 6.0g 防水:IP68(水深50m / 30分) バッテリー:最大約4日間 サイズ展開:US 6〜15号(10サイズ) 計測項目:心拍数、歩数、カロリー、睡眠ステージ、心拍変動、呼吸数、SpO₂、皮膚温度

価格:41,800円(セット購入で約20,900円)

私はサイズ9を選んだ。6.0g は指輪としてはやや重めだが、着けていて指が疲れるほどではない。

Even G2&R1 1週間レビューの写真 9

装着感については正直に言うと、少しゴツい。普通の指輪よりは存在感がある。ただ、操作性の向上と引き換えなら十分に許容範囲だ。Oura Ringくらいなので、気になるレベルではないが、ビジネスでつけてたら「こいついかつめの指輪つけてるな?フィットネストラッカーか?」となる。ジルコニアセラミックの質感は悪くない。安っぽさはない。

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ヘルスケア機能(心拍、歩数、睡眠トラッキング)は前回「おまけ程度だろう」と書いた。実際、精度は全体的にざっくりだ。Apple Watch の精度を期待すると肩透かしを食らう。だが「参考値としてわかる」のは普通に便利だ。前回の評価「おまけ」は、良い意味でそのまま当たっていた。

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バッテリーは公称4日間。実際のところ1週間の使用期間中に切れたことがないので正確にはわからないが、2〜3日は余裕で持つ印象だ。G2本体と一緒にケースに入れて充電する運用なら、バッテリーを気にすることはまずない。

答え合わせ⑤:ソフトウェアの進化(前回書かなかったこと)

前回の記事ではハードウェアとCEOの哲学を中心に書いたが、1週間使って一番驚いたのはソフトウェアの進化だ。

G2 は新しいアプリを入れる必要がある。見た目上は G1 のアプリと似ているが、体感はけっこう違う。

  • タッチセンサーの反応精度が上がった気がする。実際どうかはわからないがR1があるのでどうでもいい話だ。

  • アプリのデザインが改善された

  • ダッシュボードがある程度カスタムできるようになった

  • 表示位置の奥行き設定がグラフィカルでわかりやすい

特にダッシュボードのカスタムと表示位置の調整は、「自分のメガネ」として馴染む速度を上げてくれる。

Even G2&R1 1週間レビューの写真 12

G1は良くも悪くも「出荷時のまま使う」感じだったが、G2 は自分好みに調整できる余地がある。ソフトウェアのレベルが若干上がった。また表示領域の拡大に伴って階層構造というかメニューなどの操作もできるようになった。Apple Watchのアプリリストみたいな感じの操作も多少できるようになって進歩を感じる。といってもApple Watch第1世代くらいになった感じ。

通知:毎日の主力機能

前回の記事では翻訳やナビにフォーカスしたが、1週間使って一番使用頻度が高いのは通知だ。

LINE、メール、各種アプリの通知が視界にスッと現れる。スマホをポケットから出す必要がない。会議中でも、歩いている時でも、今すぐ対応すべきものか無視していいものか、視線を動かすだけで判断できる。

「でも返信はできないんでしょ?」と思うだろう。そう、できない。通知の確認だけだ。

だが聞きたい。お前らは Apple Watch で通知を見て、Apple Watch で返信をどれくらいやってる? 言うてもそんなにしていないだろ。そういうことだ。通知の本質は「取捨選択」であって「返信」ではない。緊急事態を即座に知れて、今すぐ対応すべきかどうかを判断できる。それだけで十分に価値がある。

ナビゲーション:ゲームのミニマップ感覚

ナビは G1 から進化した。地磁気センサーが搭載されて、頭の向きに連動して地図が回転する。これが楽しい。ゲームのミニマップがそのまま視界に浮いている感覚だ。

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表示範囲が広がったおかげで、ルートの全体像も把握しやすくなった。徒歩ナビはわかりやすいし、自転車乗りにはかなりいい。スマホをハンドルにマウントしなくても、視線の先にルートが見える。

位置情報などで個人情報に関わる部分があるので、公式サイトのスクショになるが、実際にこのように映る

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大きいマップも見ることができるので快適だ。Luupの自転車で移動する際に使ってみたがこれであれば全く問題なくGoogle Mapを見ないで移動できる

ただし、日本での使い方にはまだ最適化されていない。日本人がナビで一番見たいのは電車の乗り換えだ。「次は何番線の何時発に乗ればいいか」が視界に出てくれたら最高なのに、それができない。ここは改善を期待したい。

一応乗り換え案内の通知を出すことで擬似的にナビのようなこともできるが、公式サポートを期待する。

Even AI:音声で聞ける便利さ

Even AI は音声アシスタントだ。メガネに向かって話しかけると、AI が回答を視界に表示してくれる。

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正直、毎日ガンガン使うかと言われると、そこまでではない。たまに使う程度だ。ただ、ハンズフリーで調べ物ができるのは確かに便利な瞬間がある。両手がふさがっている時とか、スマホを取り出すのが面倒な時に「ちょっと聞く」感覚で使える。Even AIの性能についてはまだまだ成長の余地があるが、アプリの設定でAIプロバイダとしてPerplexityを選択できるので、そちらの方が回答の質は良い気もする。

私はデフォルトのEven AIで家を出る前に天気を聞いたりしている。Alexaとしては十分すぎる。聞いた履歴なども残るので後で振り返ることもできる。

スピーカーが非搭載なので回答は視界にテキストで表示される。これはこれで、電車の中とか声を出せない場面では都合がいい。

テレプロンプター:試した程度だが可能性は感じる

前回の記事で「プレゼンテーションや講演を頻繁に行う人に活躍する」と書いた。

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正直、この1週間ではまだ試した程度だ。実戦投入はしていない。だが表示領域が広がったことで、前後の文脈を見ながら読めるようになった。R1 で手元から文字送りできるのも安心感がある。以前はテンプルを触ってページをめくるため誤動作も多かったが、R1ならその心配もない。この機能が真価を発揮するのは、次にプレゼンの機会が来た時だろう。

表示範囲はだいたい1行くらい増えていると思えばよい。黒いほうがG1で、白いほうはG2の表示だ。グレーアウトしていない範囲がメガネで見える範囲である。

「惜しい」ポイント

ここまでほぼ褒めてきたが明確に「惜しい」と思うポイントがある。

外部アプリとの連携ができない。

Todoist のタスクを表示したい。Notion のメモを見たい。Google Maps と直接連携してほしい。Kindle のテキストを流したい。だが現状の Even G2 は閉じたエコシステムだ。Even 純正の機能しか使えない。

これは惜しい。マジでポテンシャルは高いのだ。 面白い要素はすでに揃っている。ハードウェアは十分に完成度が高い。あとはソフトウェアの開放性次第で、化け物みたいなデバイスになれる。

Even G2&R1 1週間レビューの写真 17

Even Realities は SDK「Even Hub」をすでに公開している(GitHub にリポジトリもある)。これが成熟すれば状況は一変するはずだ。現在は先行開発者の募集をしているので応募するのも良いだろう(私はした)

1つ思うのは、スマホが普及しても削ぎ落とした最低限のガラケーを使う人がいる。それと同様に、スマートグラスが死ぬほど発展しても、削ぎ落とした最低限を求める人はいるだろう。その「最低限」として、現在の Even G2 が提供している機能はまさに必要十分だ。ここにサードパーティの拡張性が加われば、完璧になる。

接続の不安定。

Even G1時代からあるのだが頻繁に接続が切れることがある。実際に不安定性で体験を損なう場合は多い。先ほどの翻訳のデモでも頻繁に接続切れの表示が出ている。ただし先ほどの動画の場合は途中で中断されてはいないので、接続失敗したと誤検知しているという可能性が高い

また初期設定の時などにハマるポイントがある。最初にR1が上手くペアリングできない場合もある。私も設定でハマった

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初期化はダメだったけど、デバイスの解除を行った後、Bluetooth接続の解除をしてからデバイスの再登録をすると動くようになった。 Even R1が使えなくなると、Even G2の使い勝手が半減するわ。焦った。

向いている人・向いていない人(アップデート版)

前回こう書いた。

向いていない人:裸眼の人。 Apple Watch を買った方が安くて機能も充実している。

判定:基本的には変わらない。ただし補足が必要になった。

1週間使って見えてきたのは、Even G2 の体験はメガネユーザーかどうかで天と地ほど違うということだ。

メガネユーザーが G2 を使った場合:120点。

毎日かけるメガネがそのままスマートデバイスになる。Apple Watch を腕から外せる。通知も、ナビも、翻訳も、視線を動かすだけ。これは「便利」を超えて「もうなかった時代に戻れない」レベルだ。コストを無視して Apple Watch と Even G2 & R1 を比較するなら、メガネユーザーは自信を持って代替できる。

裸眼の人が G2 を使った場合:60点。

確かに便利だし、面白い。独自の使用感がある。だが、わざわざメガネをかけていない人が常時装着を要求されるのは正直キツい。Apple Watch にできないような代替不可能な機能を、最高のクオリティで提供できているかというと、まだそこまでではない。

ただし、会話サポートや翻訳機能がさらに強化されれば、この評価は変わるだろう。「Apple Watch にはできない価値」を提供できるポテンシャルは確実にある。裸眼の人は、もう少しだけ待ってもいい。

他のスマートグラスとの違い

「スマートグラス」と名のつく製品は増えてきたが、実はどれもメガネの形をしているだけで、出自がまったく違う。前回の G1 レビューでも書いたが、これは収斂進化だ。鳥と蝙蝠が両方とも翼を持っているのと同じで、形が似ているだけで目指している方向性が根本的に異なる。


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ヨドバシカメラの売り場で考えると一番わかりやすい。

Ray-Ban Meta、Xiaomi スマートグラス → カメラコーナー カメラとスピーカーを載せた「撮れるメガネ」。ディスプレイは搭載していない。つまり視界に情報は浮かばない。やっていることはウェアラブルカメラ付きイヤホンをメガネフレームに載せたもので、Even G2 とはそもそもカテゴリーが違う。カメラを買うか時計を買うか悩む人はいないだろう。そういうことだ。

Xreal Air、Viture One → モニターコーナー こちらは「持ち歩ける外部モニター」。映画を見たり、作業用ディスプレイとして使ったりする。便利だが、常時装着するデバイスではない。Xreal を日常でつけっぱなしにしている人はいない。作業する時にかけるものだ。モニターとは作業用だから。

Even G2 → スマートウォッチコーナー Even G2 は「メガネ型 Apple Watch」だ。カメラもスピーカーも捨てて、視界に情報を出すことだけに特化した。だからこそ36gで、だからこそ1日中かけていられる。逆に言えば常時使わないと意味がない。この「引き算」が Even G2 の最大の強みであり、他のスマートグラスとの決定的な違いだ。

そしてメガネユーザーにとっては、デバイスの数は足枷の数だ。メガネ + Apple Watch の2つが、Even G2 ひとつになる。足枷がひとつ減る。これが「メガネユーザーなら買え」と言い切れる最大の理由でもある。またR1も付随して考えるとメガネ+Apple Watchより、Even G2 + R1のほうが体験がいいと感じる。

バッテリー:丸1日余裕、ケースで7回分

G2 本体のバッテリーは約2日間持つとされている。

実際の体感としては、丸1日は余裕だ。朝かけて夜外すまで、充電残量を気にしたことがない。翻訳をガンガン使った日でも、帰宅時にバッテリーが心もとないと感じたことはない。

充電は専用ケースに入れるだけ。寝る時にケースに入れておけば朝には満充電だ。ケースは最大7回分のフル充電が可能なので、ケース自体の充電頻度も低い。

Even G2&R1 1週間レビューの写真 19

G1 のケースと比べると、G2 のケースは遊びが減った。つまりガタつかず、ピタッとセットできる。セットする時に少しもたつくこともあるが、まあ慣れだ。どうせ朝と晩しか触らない。

防水:IP65

IP65。「水没OK」ではないが、雨の日に普通に使える。メガネとして日常使いするものだから、この防水性能は地味にありがたい。

セットアップ:正直にいうと一筋縄ではいかなかった

アプリをダウンロードして、Bluetooth でペアリングして、という基本の流れ自体はシンプルだ。だが、ペアリング完了直後にファームウェアアップデートが強制実行される。これがクセモノだった。

私の場合、アップデート途中で失敗した。ペアリングも死んだ。Bluetooth デバイスの削除→再ペアリング→再アップデートを数回繰り返して、なんとか通った。

アップデート中はスマホの画面が消えないように設定を変更しておくこと。スリープで通信が切れるとアップデートが失敗する可能性がある。

一度セットアップが完了してしまえば、あとは毎日快適だ。ただ初回のこのハードルは、ガジェットに慣れていない人だと挫折するかもしれない。ここは Even Realities に改善を期待したい。

購入ガイド

価格

Even G2&R1 1週間レビューの写真 20

R1 を買うならセット購入が圧倒的にお得だ。単体で 41,800円のリングがセットだと約20,900円になる。

度付きレンズ

Even G2&R1 1週間レビューの写真 21

Even G2 は度付きレンズに対応している。-12.00 から +12.00 まで、近視・遠視・乱視の単焦点レンズに対応。処方箋があれば数字を入れるだけですぐに注文できる

私は薄型の Enhanced Slim($229)を選んだ。本体 99,800円 + レンズ約35,000円で、トータル約13.5万円。前回のコメント欄で「処方箋レンズ高い」という声があったが、わかる。ここは覚悟がいる。

どこで買う?

オンライン(Even Realities 公式サイト) か、JUN GINZA(東京・銀座の実店舗) で購入できる。

私はオンラインで即買いした。G1 ユーザーでサイズ感はわかっていたし、発表と同時に買いたかったからだ。

ただ、初めてスマートグラスを買う人、度付きで試着してから決めたい人は JUN GINZA に行くことを強く勧める。実物をかけて、検眼して、専門スタッフに相談できる。G1 時代は海外サイトからドル建てで買うしかなかったことを考えると、これは大きな進歩だ。

ちなみに、Even Realities の CEO Will Wang 氏によると、世界で最も売れている店舗が JUN GINZA だという。

注文が予想を大幅に上回り、生産能力を3倍に拡大し

たとのこと。日本のメガネユーザーがこの製品の価値をいち早く見抜いたということだろう。なお JUN GINZA での納期は 2026年2月中旬〜4月上旬(予約順)とされている。

Even G2 は CES 2026 で Best in Show にも選出された。業界からの評価も高い。

結論

前回「人類が次のステージに行くための装備」と書いた。

1週間使った今、この言葉に120点をつける。メガネユーザーにとっては。

Even G1 はまだ荒削りだった。革命的ではあったが、「及第点」という感覚も正直あった。G2 はその不満をひとつひとつ潰してきている。リムの薄さ、表示範囲、タッチセンサー、ソフトウェア、そして R1 という新しい相棒。

正直に言う。現状で最も実用的なスマートグラスは、Even G2 だ。 これは確信を持って言える。

前回の自分が「まだ手元にはない。でもスペックと哲学を見るだけで確信できる」と書いた。あの確信は、正しかった。

G1 には戻れない。もうG2 & R1 のない生活には戻れない。

前回読んで買った人、答え合わせの結果は「正解」だ。 まだ悩んでいる人、前回の記事をもう一度読んでほしい。あの記事に書いたことは、ほぼすべて当たっていた。

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