実機レビュー
INMO GO3レビュー|1週間使って分かった強みと不満、買うなら本体だけ
交換式バッテリーと速い翻訳は魅力。耳の痛さ、撮影の遅さ、Ring4の操作性はどうか。INMO GO3を1週間使い、写真と比較で購入前の判断材料をまとめた。
初出:note

INMO GO3を1週間、ほかのスマートグラスを外して使った。翻訳、字幕、撮影まで1台で試せて、バッテリーは交換できる。一方、耳の痛さやカメラの起動、指輪型コントローラーのRing4には不満が残った。
買うなら、まずは本体と充電ケースの構成で十分だ。 翻訳と撮影をいろいろ試したい人には面白い。毎日かけるメインのメガネを探しているなら、かけ心地と撮影の使い勝手を先に読んで判断してほしい。
1週間使った結論
- 選ぶ理由
- 速い翻訳表示と、充電待ちを減らせる交換式バッテリー。
- 割り切るところ
- 長時間の装着で耳が痛い。撮影までの待ち時間と夜間画質にも不満。
- 追加購入は慎重に
- Ring4は操作しにくく、私にはサイズも合わなかった。顔認識は試用時点で未提供。
写真を交えながら、装着感、操作、撮影、翻訳の順に見ていく。GO3の製品情報はカタログページ、RokidとEven G2を使い分けた経験はこちらの比較レビューにもまとめている。
翻訳と記録に軸足を置いた、全部盛りのAIグラス
字幕や翻訳を視界に出し、会議を記録して要約する。そこにカメラとAIアシスタントも加えたのがGO3だ。主な仕様を、使い方とつなげて整理した。
| 項目 | GO3の構成 |
|---|---|
| 表示 | 両眼・緑色モノクロMicro-LED。640×480、視野角30° |
| 撮影・音声 | カメラ、マイク、スピーカーを搭載。カメラには物理カバー付き |
| 装着 | 約58g。度付きは付属のインサートレンズ用パーツを使う |
| 電源 | 交換式270mAh、バッテリー2個付属 |
| 主な用途 | 翻訳、字幕、テレプロンプター、会議の記録・要約、ナビ、AIアシスタント |
私はKickstarterでRing4付きのプランを支援し、10月上旬に受け取った。本体と充電ケースが$499、Ring4かスピーカーを足すと$549という当時のプランだ。国内で購入する場合の価格と構成は、記事末尾の購入ガイドから確認できる。
箱には本体と充電ケース、度付きレンズを入れるためのインサートレンズ用パーツが入っていた。Ring4は別の箱で届く。

見た目は自然、ただし耳は痛くなる
箱から出して最初に感じたのは、質感の良さだった。正面から見るとフレームが細く、ガジェット感はかなり抑えられている。普通のメガネとして通る見た目だ。Evenほどの高級感はないが、かなりいい線をいっている。表面に指紋がつきにくいのも、毎日触るものとしてはありがたい。


気になったのは、耳に当たる部分だ。テンプルの後ろにバッテリーが入るため、その部分が太い。ノギスで測ると6.0mmあった。長時間かけていると、人によっては痛くなると思う。私は少し痛かった。見た目は普通のメガネに近くても、かけ心地まではまだ追いついていない。
度付きレンズは今回入れていない。メガネユーザーは、付属のインサートレンズ用パーツにレンズを入れて使う形になる。
操作は、指で触って分かるタッチセンサーが中心
操作部は右のテンプルにまとまっている。前寄りの下側にボタンが2つあり、手前が電源、奥がGOボタンだ。GOボタンには好きな機能を割り当てられる。
その側面がタッチセンサーで、スワイプや長押しで操作する。よくできているのは、センサーの範囲の前後に小さな突起があることだ。指で触れば、どこからどこまでが操作できる範囲かが分かる。見えない場所を触るスマートグラスでは、こうした手がかりが効いてくる。


メニューは視界の下に横一列で並び、スワイプで左右に送って選ぶ。
指輪型コントローラーのRing4は、正直おすすめしない
Kickstarterで一緒に付けた指輪型コントローラーのRing4も試した。結論から書くと、これはおすすめしない。

Ring4でできる操作は、テンプルのタッチセンサーとGOボタンとほぼ同じだ。横スワイプ、クリック、長押しができる。ただ、そのどれもが使いにくい。
一番の問題は、タッチセンサーの範囲が狭いことだ。スワイプの向きが輪に対して90度、つまり指の付け根から指先へ向かう向きになる。指を動かせるのはリングの幅の分だけで、ほとんど距離が取れない。Even R1は輪に沿ってスワイプするので、ある程度の距離が取れる。同じ指輪型でも、スワイプの向きひとつで使い心地は大きく変わる。またEven R1はサイズも多く用意されているため、ブカブカになることはない。
Even R1はEven G2用の指輪だ。GO3用の代替品として選ぶものではない。使い心地はEven R1のレビューで詳しく書いた。
サイズも合わなかった。Ring4はワンサイズしかなく、そのサイズがかなり大きい。成人男性の私の指でもゆるく、指の上で回ってしまう。
接続すると、視界のメニューにリングの電池残量も表示される。


充電にも少し手間がかかる。専用ケーブルの端子を磁石でくっつけて充電する方式で、このサイズと形なら仕方ないとは思う。それでも、Even R1のように置くだけで充電できる手軽さには及ばない。
全部盛りの体験を一通り試すには面白い。ただ、指輪として毎日使いたいとは思えなかった。
カメラは撮るまでが遠い
GO3で写真を1枚撮る手順はこうだ。ボタンを押してメニューを開き、カメラを選んで、ようやく撮れる。GOボタンにカメラを割り当てれば手順は減るが、それでも起動に1秒ほどかかり、そのあと自動で1枚撮るまでにも少し待たされる。
たかが1秒と思うかもしれない。だが、撮りたい瞬間は待ってくれない。子どもが面白い顔をしても、カメラが起動して撮り終えるころには、その顔はもう終わっている。
撮影画面にも不満がある。GO3は撮影待機中、視界にシャッターボタンと「シングルクリックで撮影」という案内を表示する。

視界に浮かんだボタンは、指で押せない。スマホのカメラアプリの画面をそのまま持ち込んだ設計で、スマートグラスをスマホとは別の道具として捉えきれていない印象だ。録画も同様で、始めるとシャッターボタンが四角に変わり、経過時間が表示される。1回の録画は60秒までで、少し短い。撮影後に撮った写真が表示されることもない。
画質は、手元のRokid Glassesと比べるとひと回り落ちる。日中はそれほど差を感じないが、並べるとRokidのほうが精細だ。差がはっきり出るのは夜で、GO3は街灯などの光が大きくにじむ。画素数はRokid Glassesが公称1200万画素(Sony IMX681)。GO3は公式の仕様に記載がなく、AI Watchのレビューでは800万画素とされている。


使い道がないわけではない。両手が空いたまま撮れるので、子どもと遊んでいるときにはスマホを構えずに済む。撮影中はインジケーターが光り、周りからも撮影中だと分かる。カメラを物理的に隠すカバーも付いている。私はほとんど使わなかったが、こうした配慮が用意されていること自体、カメラ付きのメガネが周りからどう見られるかをメーカーが意識している表れだろう。
夜の作例を重視するなら、Rokid Glassesも比較したい。上の写真で差を見たうえで、GO3とRokidの仕様比較へ進むと、撮影以外の違いも確認できる。
字幕と翻訳は、1文ごとにまとめて速く出る
音声の字幕は、おおむね正しく出る。日本語ではまだ怪しい箇所も多いが、何の話をしているかはざっくり分かる。
面白いのは表示の進み方だ。話している間は表示がほとんど変わらず、1文ほど話し終えたところで、まとめて字幕が追加される。文字が逐次流れていく方式に比べると待たされる感じはあるが、出てくるまでは速い。

翻訳では、原文と訳文が視界に並んで表示される。スマホのアプリにも同じ内容が残る。


交換式バッテリーは面白い仕組み
GO3のバッテリーはテンプルの後端にあり、マグネットで外せる。容量は270mAhで、2個付属する。1個を使っている間にもう1個を充電しておき、残量が減ったら差し替える。差し替えると一度電源が落ちるので、電源ボタンを押して起動し直す必要がある。ここは少し面倒だ。
容量だけならGO3は小さくない。ただ、ここで注目したいのは容量の順位より、予備を差し替えて使えることだ。
| 機種 | バッテリー容量 | 充電・交換の違い |
|---|---|---|
| INMO GO3 | 270mAh × 2個付属 | 交換式。差し替え後は再起動が必要 |
| Rokid Glasses | 210mAh | 内蔵式 |
| Even G2 | 192mAh | 内蔵式 |
それでも対話翻訳の公称値は3時間で、1日もつとは言いにくい。ディスプレイに加えてカメラやスピーカーまで載せているぶん、電池の減りは速い。容量で足りない分を、交換で補う設計だと言える。

この仕組みが一番活きるのは翻訳だ。対話翻訳の公称値は約3時間。通訳のように、決まった時間ずっと翻訳を出していたい場面でも、バッテリーを替えて再起動すれば、充電を待たずに再開できる。バッテリーを内蔵したメガネではできない使い方だ。
通知が中心の使い方なら、家に充電器を置いて毎朝バッテリーを差し替えれば1日もつ。スマホを毎晩充電するのと同じ感覚で回せる。
欠点は部品が増えることだ。バッテリーと充電ケースを本体とは別に持ち歩くことになる。ケースはワイヤレスイヤホンのケースくらいの大きさなので大きな負担ではないが、分かれているものは無くしやすい。こまめに管理できない人には向かない。

顔認識は、まだ来ていない
最後に、買った目的のもう1つであるAR Social Business Cardについて書く。メガネをかけると、目の前の人の名前や会社、過去のやりとりが視界に表示される機能だ。2025年10月16日の中国でのGO3発表時に、あわせて発表された。最初のバージョンは手動での登録とオフラインの顔認識に対応し、情報は端末に保存するとされている。
今回の試用時点では、この機能はまだ使えない。最近のアップデートで、設定に「この機能を使うか」という項目が増えた。準備は進んでいるようだが、機能そのものはまだ届いていない。

顔認識は、それだけ攻めた機能だ。Metaも同じことを考えていた。2026年6月4日、Metaのスマートグラス用アプリ「Meta AI」に、未公開の顔認識システムのコードが入っていたとWIREDが報じた。
数日後の6月8日、WIREDはそのコードが最新版のアプリから消えたと続報している。Metaは消した理由も、今後戻すかどうかも明らかにしていない。
Ray-Ban Metaを売っているMetaですら、表立っては踏み込めなかった領域だ。知らない人にメガネを向けられ、名前を照合されるのを怖いと感じる人は多いだろう。日常で使うにはハードルがある。
私自身は、それほど気にしていない。むしろ、これだけ攻めた機能だからこそ、実際に使うとどうなるのかを知りたい。倫理の議論はいったん脇に置き、閉じた範囲で試して、その体験を書く。それがこういうガジェットを買う人間の役目だと思っている。
それに、私は人の顔を覚えるのが苦手だ。この機能が使えるようになれば、助かる場面は確実にある。提供が始まったら、この記事の続きを書くつもりだ。
買うなら本体から。Ring4は後回しでいい
GO3を選ぶ理由は、翻訳・字幕・撮影を1台で試せることと、バッテリーを交換して使い続けられることにある。耳の痛さや撮影の遅さを割り切れるなら、カメラ付きメガネでできることを広く試す1台として面白い。
まず買うなら本体と充電ケースの構成で十分だ。Ring4は本体の操作を置き換えるには使いづらく、私は追加を勧めない。別売のワイヤレススピーカーも使っていないが、なくて困る場面はなかった。
| 購入前に見るところ | 私ならこう選ぶ |
|---|---|
| 本体・付属品 | まず本体と充電ケース。バッテリー2個が含まれる構成か商品ページで確認 |
| Ring4 | 本体のタッチ操作で始める。最初から追加しない |
| 度付き | インサートレンズの加工代も予算に入れる |
| 顔認識 | 提供待ち。現在使える翻訳・字幕・撮影に納得できるかで判断する |
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本体の価格と付属品を確認する
国内版の紹介価格は99,800円(税込)。実売価格・販売元・セット内容を確認して、本体から選びたい。
AmazonでINMO GO3の価格・在庫を見る ↗まだ迷うなら、3機種を比較する →毎日かけるメインのメガネとしては、まだ勧めにくい。ソフトには詰め切れていない部分があり、自作アプリを入れる開発者向けの仕組みも試用時点では未提供だった。それでも、翻訳と撮影を試しながらソフトの変化を追う楽しさはある。顔認識が使えるようになった日に、また書く。
Even G2
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