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Even G2激推しがRokid Glasses買ってみた

10万円のスマートグラスを2台同時期に持ち比べた人間として、断言する。現時点で最も実用的で快適なスマートグラスは Even G2 だ。

Naoki ·

初出:note · 本文・写真をnoteから転載しています。

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10万円のスマートグラスを2台同時期に持ち比べた人間として、断言する。現時点で最も実用的で快適なスマートグラスは Even G2 だ。

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これは前回 Even G2 のレビュー記事で書いたことの再確認になる。Rokid Glasses を実際に買って数日使った後の感想として、改めて言える。

はじめに:私のスタンス

本題に入る前にひとつだけ明確にしておきたいことがある。「スマートグラス」という言葉の使い方だ。

世の中で「スマートグラス」と呼ばれているデバイスは、実は3つくらいの別ジャンルの製品が同じラベルで括られている。

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  • メガネ型の持ち運べる外部モニター系:Xreal、Viture など。スマホや PC の外部ディスプレイとして使うやつ

  • カメラ付き AI イヤホン系:Ray-Ban Meta、Rokid AI Glasses Style、Xiaomi AI Glasses など。ディスプレイはないが、カメラとスピーカーで AI と対話できる

  • メガネ型 Apple Watch 系:Even G2 など。視界に情報を浮かべて、通知・ナビ・翻訳など Apple Watch 的な体験をメガネで成立させる

形が似ているだけで思想は別物だ。同じ言葉で全く違う製品を語っていて話が噛み合わないのを何度も見てきた。だから、この記事を読む間だけ、私の解釈に付き合ってほしい。

私が「スマートグラス」と呼ぶのは、メガネ自身が独自に人間とのインタラクションを成立させるデバイスのことだ。

スピーカーで音を返したり、ディスプレイで情報を出したりして、メガネ単体で入出力が成立すること。これが条件。

つまり上の3カテゴリのうち、私の「スマートグラス」に含まれるのは2と3。Xreal や Viture のような外部モニター系は、独立した知能や入出力もない。形が似ているだけで本質的には別カテゴリのデバイスだから、この記事の議論には載せない。

Ray-Ban Meta のようなディスプレイなしのカメラ+スピーカーグラスは、私の見立てではオーディオグラスの拡張に近い。ただし「メガネ単体で AI に話しかけて音声フィードバックが返る」という点ではスマートグラスの最低条件を満たすので、ここでは比較対象として扱う。

この記事ではそういう気持ちで読んでほしい。

この記事について

私は Even G1 から始まり、G2 を発売前に「買え」と断言する記事を書き、実機で120点をつけた人間だ。

今年だけでスマートグラスを少なくとも5台買おうとしている。ICL(眼内コンタクトレンズ、約50万円)と比較しても「スマートグラスの方が生涯コストでペイする」と本気で計算するくらいハマっている。まあこれは合理化に過ぎずペイできるかはどうでもいい。普通に毎回度入りを買うのはめんどい。

そんな人間が Rokid Glasses を Makuake で買った。Even G2 と同じ「ディスプレイ付きスマートグラス」だが、コンセプトはほぼ正反対の製品だ。

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スペック表を読んで分かった気になるのと、顔に乗せて1日過ごすのは全く別の話だ。これは前回の Even G2 レビューで一番大事にした姿勢でもある。

一応この記事は比較記事という建て付けになるのだが、公平な視点は期待しないで欲しい。公平なスペックだけで見た比較が見たいのであればAIにでも聞いてくれ。これは私の私見と体験に基づく独善的な記事であるため、体験に影響しないどうでも良い情報は基本触れない。バッテリーが何mAhとか金額どうでも良い。実稼働時間と体験こそが重要だ。

数日使った。「なぜ Even G2 が良いと感じるのか」がはっきりした。ついでに、Ray-Ban Meta を以前少し試した時の感覚とも重なって見えた話を書く。

Rokid Glasses は何者か

知ってる人は飛ばしてくれ。これくらいはAIが教えてくれるだろう。

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Rokid Glasses は中国 Rokid が開発したディスプレイ搭載スマートグラスだ。Micro-LED + 回折光学導波路で視界にグリーン単色の情報を表示する。仕組みは Even G2 と同じカテゴリ。

違うのは「載せたもの」だ(公式仕様)。

スペック表だけ見ると カメラもスピーカーもないEven G2 の上位互換に見える。価格は Makuake 先行で79,990円〜、一般販売109,890円。Even G2 が99,800円なので、ほぼ同じ価格帯だ。R1を含めるとさすがにEvenG2の方が5万円くらいは高いが。

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普通に考えたら「同じ値段で機能が多い方を買え」となるはずだ。

ならない。これがこの記事の主題だ。

スマートグラス市場のポジショニングマップ

話を進める前に、市場全体の地図を引いておきたい。

スマートグラスの中ではディスプレイの有無を最大の境界線として見ている。ディスプレイのないスマートグラス(Ray-Ban Meta 等)は、視界へのフィードバックが音声しかなく、カメラを足しても出力経路はイヤホンと同じ。一方ディスプレイ付きは「視界に情報を浮かべる」という根本的に新しい体験を提供する。これこそスマートグラス本来の姿で、ここからが本当の競争だと考えている。

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軸は2つ。縦軸は視覚出力のリッチさ(Visual output richness)、横軸はメガネに載せたハードウェアの量(On-glass hardware load)。

縦は「視界に何を出せるか」。フルカラーAR(Meta Ray-Ban Display)、その下にモノクロ単色表示の系統、一番下はディスプレイなし=オーディオグラスの拡張。

横は「メガネ本体にカメラ・スピーカー・専用コントローラーをどれだけ載せたか」。ミニマル(Minimal)〜全部載せ(Fully Loaded)の方向で並ぶ。Even G2 はカメラもスピーカーもないミニマル極。Meta Ray-Ban Display と INMO Go3 はカメラ・スピーカー・専用コントローラーまで揃えた全部載せ極。

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各製品の構成を表でも整理しておく。「専用操作デバイス」はメーカー公式チャネル(AliExpress 等を含む)で販売されているものを記載した。Halliday の Trackpad Ring は本体購入時に同梱、Rokid Glasses のリング型マウスは AliExpress に流通している

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並べてみると、Even G2 だけがカメラもスピーカーも持たず、操作デバイス(R1 リング)だけが付いている孤立した位置にいる。逆に Ray-Ban Meta 系(No Display 帯の4製品)はディスプレイがなく、カメラとスピーカーだけで戦っている。INMO Go3 と Meta Ray-Ban Display は載せられるものをほぼ全部載せた構成だ。

Rokid Glasses にも操作リング相当のものが市場に存在するが、これは「指輪」ではなく明確に「リング型マウス」だ(後述)。同じ ○ でも中身はかなり違う。また公式サイトからの導線がないことからRokid のコントローラーを「Optional」、Halliday とEven G2 と INMO Go3 の "Ring" とは明確に区別している。

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スマートグラスの大半はカメラを乗せて右側に寄りがちである。Ray-Ban Meta は2025年単年で700万台以上売れていて(EssilorLuxottica 決算)、これが市場の中心と言っていい。Rokid AI Glasses Style、Xiaomi AI Glasses、VIVE Eagle もこの路線だ。

「モノクロ単色 × ミニマル」の領域、つまりディスプレイ表示と必要最低限の操作だけに絞り込んだ製品は意外と少ない。Halliday Glasses はスピーカーを載せた程度の引き算系で近いが、価格・入手性を総合すると Even G2 が事実上の代表格だ。Brilliant Labs Halo もこの近辺にいるが、AI 推論用の光学センサと骨伝導スピーカーを載せていて構成は中間、ディスプレイは 0.2 インチのフルカラー micro-OLED HUD と公表されており Even G2 / Rokid Glasses のモノクロ単色帯とは表示階層がそもそも異なるため、マップ上は割愛している。

冒頭で書いた「3カテゴリ」のうち、このマップに乗っているのはカメラ付き AI イヤホン系(表示なし帯)とメガネ型 Apple Watch 系(モノクロ単色帯/フルカラー帯)の2つ。同じ「スマートグラス」と呼ばれていても、両者の体験は全く別物だ。

Ray-Ban Meta を使った時の話

Rokid Glasses の批評に入る前に、Ray-Ban Meta を試した時の感想に触れたい。今回の話に直結する。

Ray-Ban Meta はカメラ・スピーカー・マイクを載せた、ディスプレイなしの AI グラスだ。Meta が Ray-Ban とコラボしたサングラスとしての見た目は良く、市場での成功も圧倒的に大きい。スマートグラスとしてこんなにデザインが多いのも非常に稀である。

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正直、私はこの手のデバイスは基本的にそんなに体験に価値を出せないと思っていた。

触ってみると、そこまで悪くはなかった。「これ何?」とカメラ越しに質問できる look-and-ask は確かに面白い瞬間がある。料理中とか自転車中とか、両手が塞がっている場面ではカメラがあるメリットは明確にある。

でもそれ以上はなかった。

体感としては「Siri が使えるカメラメガネ」だ。視覚的フィードバックが返ってこないから、確認は全部音声に頼ることになる。電車の中とか会議中とか「音を出せない場面」で機能の半分が死ぬ。

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そして使いながらずっと思っていた。これなら AirPods で「Hey Siri」って言うのと、生活の中でやれることが大きくは違わなくないか? と。look-and-ask があるぶん少しだけリッチではある。それは認める。だが「メガネ型でないと成立しない体験」が薄い。

そしてこの感覚は、Rokid Glasses を使った時の感覚と地続きだった。

Rokid Glasses は Ray-Ban Meta にディスプレイが付いた版とも言える。ディスプレイがある分、確かに Ray-Ban Meta より一段上だ。視覚的にフィードバックを返せる時点で、スマートグラスとして本質に近い。

ただ、カメラとスピーカーを載せたことで失っているもの。それはバッテリー、重量、装着の細部、それらが Ray-Ban Meta と同じ問題を引き起こしている。これは偶然ではなく構造の問題だ。カメラとスピーカーを載せるコストが、現状のリターンに見合っていない。2台触って、そう確信した。

カメラ評価:「手軽なカメラ」止まり

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擁護できる点から書く。Rokid Glasses のカメラは想像より良い。

Sony IMX681、画角109度。最初に撮った写真を見て「思ったより広角だな」と思ったのは正直な感想だ。画質も悪くない。HDR も効く。手元のスマホで撮るより構えが自然な分、生活の一瞬を捉えるのに向いている。

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ただ「これでしかできないこと」が薄い。

カメラ付きメガネの用途は3つくらいに絞られる。

  1. ハンズフリーで写真・動画を撮る

  2. 目の前のものを AI に質問する

  3. 翻訳カメラ(看板やメニュー)

1 は便利だが Ray-Ban Meta でもできる話で、Rokid Glasses 固有の価値ではない。Ray-Ban Meta の方がカメラ画質も生態系もこなれている。

2 は面白い。GPT-5 と Gemini が選べるのも気が利いている。ただ実際に数日試して気づいたのは、生活の中で「カメラ+AI で質問したい瞬間」が思ったほど来ないことだ。スマホでググる方が早い場面が多いし、視界に答えが緑色で出る体験は未来感はあるが習慣化しない。

しかも質問のたびにテンプルに手を伸ばす必要がある。最初は気にならない。でも考えてみてほしい。「ちょっと聞きたい」と思うたびに、こめかみまで腕を持ち上げて、タッチパッドを指先で探って、タップする。1日に何度も繰り返す。電車で吊革を持っているとき、買い物袋を持っているとき、人と話しているとき——そのすべてで一旦荷物や手を空けてから腕を上げる必要がある。1回1回は数秒の動作だが、「今ちょっと聞きたい」と思うたびにこの儀式を挟まなければならない。3日目には腕を上げる前に「やっぱスマホでいいか」と諦めるようになる。「ちょっと聞きたい」のハードルが、想像以上に高くなる。

3 の翻訳カメラは海外旅行では神機能だ。これは認める。ただ私は今、東京で日本語を読んでいる。日常では出番がない。

つまり Rokid Glasses のカメラは現状、手軽にスナップが撮れるカメラ以上の価値を提示できていない。Ray-Ban Meta より優れているわけでもないし、スマホより圧倒的に便利でもない。

なお、翻訳カメラを含めたカメラ機能の本気のレビューは、6月の WWDC で実機投入して試したいと思っている。海外で英語の看板や標識を翻訳する場面が連続的に発生する環境こそ、この機能の真価が試される場面だ。ただし懸念もある。アメリカではカメラ付きスマートグラスに対する規制や社会的反応の状況が日々動いていて、情勢的に怪しければ Rokid Glasses は持っていかず Even G2 だけにする選択肢も真剣に考えている。その答え合わせは別記事でやる。

カメラを載せることのリスク:倫理的ハードルがメリットを上回っている

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機能の話の前に、もう一段先の話をしないといけない。カメラ付きスマートグラスは、社会的にまだ受け入れられていない。

これは Rokid Glasses だけの問題ではなく、Ray-Ban Meta も含めたカメラ付きグラス全般の問題だ。「撮っているのか撮っていないのか、外から判別できない」という事実が、根本的な不信感を生んでいる。

スマホで写真を撮るときは、明らかにスマホを構える。相手から見て「撮っている」と分かる。これが暗黙の社会的合意になっている。撮っていることが分かりやすいぶん、嫌なら制止しやすいし、フレームから避けることもできる。

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カメラ付きグラスはこの合意を破壊する。レンズの近くに小さなインジケーター LED は付いているが、相手が気づかないことも多いし、そもそも常にあなたの顔の方向を向いているデバイスなのだ。相手からしたらこちらを見ていたら撮られてるのでは?と思わせるのだ。

Ray-Ban Meta では実際に事件が起きた。2024年、Harvard の学生 AnhPhu Nguyen 氏と Caine Ardayfio 氏が Ray-Ban Meta と顔認識サービス PimEyes を組み合わせて、街ですれ違った見知らぬ人の身元・住所・職場まで特定できるツール(I-XRAY プロジェクト)を実演した。彼らはコード自体は非公開とした上で、デモ動画と解説を公開し「現状の技術で何が可能か社会に認識させるためのデモだ」と説明している。カメラ付きグラスは、悪意ある使い方をすれば社会的監視装置になりうる——技術的にすでにそこまで来てしまっていることを示した事例だ。

これだけではなく隠し撮りのトラブルなどで大きい議論の的になっている。

ここで言いたいのは Rokid Glasses や Ray-Ban Meta が悪いという話ではない。現状、カメラを載せることで得られるメリットが、現在の社会的・倫理的リスクと釣り合っていないという話だ。

天秤に乗せてみる。

  • メリット側:ハンズフリーで撮影できる、AIに「これ何?」と聞ける、看板を翻訳できる

  • リスク側:周囲の人に不信感を与える、無断撮影と疑われる、店舗や施設から拒否される、顔認識との組み合わせで監視に転用される

このメリットのために、街で「あの人カメラ付きメガネかけてる、嫌だな」と思われるコストを払う価値があるか。私には今のところ、ない。

正直に言うと私自身は、向かいの席の人が Ray-Ban Meta をかけていてもまったく気にしない。インジケーターが光ってなければ撮ってないし、それを気にするくらいなら、そこら辺で TikTok を撮っている JK のフレームに映り込んでしまうことの方がよっぽど申し訳ないと感じる。これが私の本音だ。

ただ世の中にはそう思わない人もちゃんといることは認める。「カメラ付きメガネは存在自体がストレス」「インジケーターを信じない」と感じる層は確実に存在する。Ray-Ban Meta が出た時の反応や、店舗で着用を断られる事例が出ていることが、その存在を物語っている。自分が気にしないからといって、社会全体が気にしないわけではないという当たり前の事実は無視できない。

将来この問題は解決されるかもしれない。録画中を明確に示す大きなインジケーター、PCのカメラカバーのような機能、社会的な合意形成、規制の整備。あるいは前述した「顔認識で目の前の人の名前を表示する」のような、リスクを上回る決定的なメリットの登場。どこかでバランスが反転する瞬間が来る。

ただ今はその段階じゃない。カメラを載せて得られるものは「手軽に撮れるカメラ」程度のもので、それと引き換えに払う社会的コストの方が確実に重い。

この観点でも Even G2 はやはり正解だと思う。カメラを載せないという選択は、機能の引き算であると同時に、社会的摩擦の引き算でもある。メガネユーザーとして毎日身に着けるデバイスが、周囲に不信感を与えない設計になっていることの価値は、スペック表には現れないが確実に大きい。

カメラを載せた瞬間に失われるもの:バッテリー

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スマートグラスを評価する時、バッテリーは機能の一つではなく前提だ。毎日着けられないデバイスは、どれだけ多機能でも引き出しの肥やしになる。

数字を並べる。

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Rokid Glasses は通常使用でも5〜7時間が実測の落としどころだ。Tom's Guide のレビューでは「ハードに使えば2時間以下で枯れる」とも書かれている。

それから運用の話。Even G2 は専用ケースに入れて寝るだけで朝には満充電。出先で電池が切れる心配はほぼゼロだ。

Rokid Glasses は公式の充電ケースが別売で$99。標準では同梱されない。充電は右テンプル末端のマグネット式ポゴピン端子で行う。同梱されているのは USB-C をポゴピンに変換する短い専用ケーブルで、家に帰ってこれを刺す運用に近い。ポゴピンの磁石は思っていたよりしっかり付くので、USB を挿したままメガネをかけて使っても抜け落ちる気配はなさそうではあった(とはいえ常用するシーンではない)。「ケースに放り込んで寝るだけで朝完全復活」という Even G2 の安心感は一つのメリットだと思う。ただ出先で充電を考えるとEven G2はケースがデカくて邪魔になるので一概にどちらがいいとは言いづらい。

実際 Rokid Glasses を1日使うと、デフォルト設定だと夕方には充電を意識し始める。「これは WWDC に裸で持っていくのは無理だな」と思った。私は今年 WWDC 取材記事をスマートグラスで書こうとしている。まだ持っていくか決めていないが、別売のバッテリークリップが WWDC までに届けば持っていくつもりではある。ただアメリカ本国ではカメラ付きスマートグラスへの規制議論が日々動いていて、情勢的に怪しければ Even G2 だけにして Rokid Glasses は置いていく可能性も十分ある。

ちなみに「Hi Rokid」のウェイクワード待機やライブ翻訳・カメラAIといった常時リスニング系の機能をオフにすると、体感3倍持つようになる。設定画面にそう書いてあるのだからしょうがない、正直HeySiriだってあんまり使わないのでむしろデフォルトはオフで良いと思う。

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カメラとスピーカーを載せたコストは、こうやってじわじわ効いてくる。スペック表だけでは分からない、毎日使って初めて分かる類のコストだ。

スピーカー評価:イヤホン使うが?

Rokid Glasses のスピーカーは指向性で音漏れを抑える設計らしい。

実際に聞いてみる。音は出る。AI の回答が耳元で聞こえる。最初は「お、未来だ」と思う。

3日で飽きる。そもそもAIの回答ならディスプレイのほうが良い。読むほうが早いからだ。

  • 静かな部屋では音漏れがちゃんとある。電車では使えない

  • 音楽を聴くには音質的にもプライバシー的にも厳しい

  • 通話に使えるが、AirPods Pro の方が圧倒的に快適

  • そもそも普段からイヤホンしてる時間が長く、結局イヤホンで聞く

スピーカーがあることでテンプル操作で音楽の再生・停止ができるのは Even G2 にできない地味な差ではある。でも音声の再生コントロールは別にスマートグラスでやらなくていい。AirPods をつまむだけで同じことができるのだから、ここに固有の価値はほぼ感じない。歌詞の表示機能があるので、カラオケでは嬉しい…?

対する Even G2 はそもそも音声出力デバイスを載せていない。通知は基本的に視覚表示のみ。最初「えっ、音が出ない?」と思うが、毎日使ってみると視覚通知だけで十分だと気づく。

視界の隅にすっと情報が出てくる。それを上向きで開く、あるいは R1 のジェスチャーで広げる。これで通知の取捨選択ができる。音は不要だ。あってもビープ音くらいで十分。スマートグラスに音楽再生をさせる必要は薄いし、AI の回答を読み上げてほしい場面もそう多くない。Even G2 はことごとくこのツボを押さえている。カメラもスピーカーも、本当に必要かと向き合った末に削っている。引き算の手つきが丁寧で、毎日使うほどその判断の正しさが効いてくる。

デザイン・素材:装着の細部

ここから先は細部の話だが、毎日使うものは細部こそが全てだ。

Rokid Glasses のフレーム全体を通して光沢ブラック仕上げで、指紋を拾いまくる。1日使うと触った場所が全部見える。拭いても拭いてもまた指紋がつく。タップ操作するデバイスのタッチ面に光沢仕上げを採用しないでくれ。マジで頼む。

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Even G2 はテンプルがフルチタンのマット仕上げで、指紋がついてもまず見えない。テンプル厚みは G1 比で53%薄くなり、見た目は普通のメガネと区別がつかない。この差は、毎日鏡を見るたびに効いてくる。

Rokid Glasses のノーズパッドはギャグみたいにデカい。デフォルトでメガネのノーズパッドにしてはありえない大きさで、最初に手に取った時は思わず笑った。フィット調整できる仕組みはあって、小さめのパッドが交換用に付属している。ただ留めるネジが極小で、手をプルプル震わせながらピンセットで交換した。交換後でも実測でこれだけ違う。

| 幅 | 厚さ |
| Even G2(デフォルト) | 6.8mm | 1.4mm |
| Rokid Glasses(小さい方) | 10.4mm | 4.0mm |

幅で約1.5倍、厚さに至っては約2.9倍。これでも「小さい方」の話だ。最初からこのサイズを標準にしてほしいし、さらに普通サイズの選択肢もほしい。

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ただ、ここはフェアに書く。重量は Rokid Glasses 49g、Even G2 公称36g(私のド近眼の度入りで実測45g)。10g 前後の差はあるが、私の肌感では巨大な差ではない。装着感を左右しているのは、重量よりもむしろノーズパッドとテンプルの設計だ。

Even G2 はノーズパッドが小さいので、長時間つけていると鼻に跡が残ることがある。ただし私個人は不快なレベルではなかった。そもそも元々のメガネが度が強くて重い。一方 Rokid Glasses はノーズパッドが大きいぶん荷重が広く分散され、純粋なつけ心地という点ではむしろ Even G2 より良いと感じる場面も多い。さらにあのデカいパッドはクッション性がしっかりあって、サイズの割に鼻が痛くなることはない。数字だけ見ると「鼻を圧迫しそう」と思うが、実際にかけると見た目ほどの違和感はない。「大きすぎる」のはあくまで見た目の話で、装着の快適性とは別物だ。

ヒンジと側圧の話もしておく。Rokid Glasses はテンプルがバネ式で規定以上に開くので、側圧がうまく逃げる。かなり柔軟だ。対して Even G2 は若干ツルの側圧が強めで、こめかみに跡がつく人もいる。さらに Even G2 はテンプルを極限まで薄くしたことの代償として、耳の上に当たる部分の圧力が集中することがある。「普通のメガネと区別がつかない見た目」の代償だ。公式に和らげる耳カバーが用意されていて、これを使うとあたりが柔らかくなる。私はあんまり気にならなかったのでカバーなしで使っていたが、ここは試着して体験してほしい部分だ。

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つまり装着感では Rokid Glasses にもちゃんと良い側面があり、Even G2 にも痛点はある。両者ともトレードオフを抱えている。それでも私が Even G2 を選ぶ理由はノーズパッドの大きさを許せるかどうかではなく、これまで書いてきたバッテリー・操作・引き算思想のトータルで決まる話だ。

Even Realities は元 Apple 出身(Apple Watch 部門に在籍していたとされる)の Will Wang が CEO で、装着体験を最優先に設計したと公言している。その思想は良いが、現状の実装では Rokid Glasses にも参考にできる部分がある。

Even G2 の体験を支えている3つの神機能

Rokid Glasses を使って、Even G2 のいくつかの機能がいかに価値あるものか再認識した。比較してみないと分からない話だ。

HeadUp:見るだけで表示が出る

頭をちょっと上に向けるとダッシュボードが表示される。それだけの機能。

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地味だが、これがある世界とない世界では体験が違う。Rokid Glasses は通知が来た瞬間以外、画面を見るには毎回テンプルをタップする必要がある。「ちょっと時計確認したい」「次の予定が何だっけ」と思うたびに、こめかみに手を伸ばす。1日に十数回〜数十回、人によっては百回近く繰り返す動作だ。1回1回は数秒で済む小さな手間でも、それが日常の操作のたびに積み重なる。3日もすれば「あ、これ毎回やるのしんどいな」と気づく類の疲労になる。時計を見るより手軽な操作で、自然な動作でありたい。

Even G2 の HeadUp も厳密には「視線」ではなく頭の角度を検知している。ただ、ちょっと考えごとをするとき少し上を向く人はそこら中にいる。傍から見れば「ちょっと上を向いた」だけで、別に怪しい動作にはまったく見えない。一方テンプルをタップする操作は明らかに「メガネを操作している」と分かるし、毎回腕を耳の高さまで上げる動作も発生する。情報を出し入れする自然さで、ここは圧倒的に差がつく。

Even R1:メガネを触らないという神体験

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R1(Even のスマートリング、41,800円。セットなら大幅割引)は、触ったことのある人間にしか伝わらないと思う。それでも書く。

R1 がもたらすのは「メガネを触らずに常時操作できる」というそれだけだ。指輪をタップ・スワイプするだけで、通知の確認、画面送り、AI 起動、全部できる。

電車で満員でこめかみに手を伸ばせない。会話中、相手の前で自分のメガネを触るのは不審な挙動でしかない。歩きながら腕を上げるのも面倒。こういう「メガネに触れない瞬間」が日常には溢れている。R1 はそれを全部解決する。

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「常時操作できる」が神機能だ。スマートグラスは視界に情報があるのが価値だが、その情報をコントロールできなかったら半分の価値しかない。R1 はそのもう半分を埋める。最近はあまりにも便利な操作でこのデバイスでClaude Codeを操作する界隈があるくらいだ。

Rokid Glasses を使っていてずっと感じたのは「あ、ここで R1 があれば」だ。

実は Rokid Glasses にも操作デバイス相当のリング型製品が存在する。AliExpress のRokid 公式ストアを含む各所に流通しているが、Rokid 自身が「公式アクセサリ」として明確に位置付けているかは確認が取れていない(販売元・ブランド表記が揺れている)。それでも「対応する周辺機器がある」という意味では Even G2 の R1 と同列に並べてよい。

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ただ、これを見てほしい。

これは「指輪」ではない。親指スクロール付きのマウスを指にはめる形にしただけだ。リングというのは名ばかりで、構造的には完全にリング型マウス。

これを装着して街に出るのか? 会話中に指のスクロールホイールを操作するのか? どういう想定の使い方なのか、率直に分からん。これを公式として「ある」と言うのは、生活に溶け込ませる気がそもそもないと見える。Even R1 の自然さには全然及ばない。プレゼンみたいな短時間の利用ならこの設計思想は理解できるが、このリングは普段使いをあまり目指していないのだろうかと感じてしまう。

ここで感じるのは、Rokid Glasses はそもそも Even G2 とコンセプトが違うということだ。Rokid は「メガネに必要な機能をぜんぶ載せて、操作したい人は別途マウスを買ってください。任意のデバイスを登録できるようにしたのでお好きなのをどうぞ」というスタンスで作っているように感じる。Even G2 は「メガネに触れずに使う日常」を前提にして R1 をセット販売している。同じスマートグラスでも、装着して暮らすことへの意識のレベルが違う。

R1 はゴツい。でも装着していて「カッコ悪い」とは思わない。他人が見ても「ちょっとゴツい指輪してるな」くらいで、ファッションや個性の範疇に収まる。違和感はあれど、不自然ではない。

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対して Rokid のリング型マウスを指にはめて、街中で親指でホイールをぐりぐり回していたらどうなるか。「この人、何の操作してるんだろ……」と確実に思われる。ゴツさのレベルというより、装着物としての異物感が違う。R1 は指輪、Rokid のリング型マウスはマウス。同じ指にはめる物でも、社会的に成立するかどうかの線がはっきりある。

Conversate(会話サポート):知性の拡張

これは Even G2 の機能で、私が一番強く「Rokid にもあってほしい」と思ったものだ。Even Realities が Conversate という名前で打ち出している、会話サポート機能群のことだ。

Xで元の投稿を見る ↗

Conversate は3つの要素でできている。

  • Live Captions:目の前の会話をリアルタイムで文字起こし

  • Real-time Suggestions:会話に出てきた専門用語・固有名詞を AI が自動検索・解説

  • Prep Notes:事前にアップロードした資料を会話中に関連箇所だけ視界に表示

「MCP で外部ツール繋いでて」と相手が話したら、視界に「MCP:Model Context Protocol、AI に外部ツールを接続する Anthropic の規格」みたいな補足が静かに表示される。会話が終わったら自動で要約が残る。

これが革命的だ。

会議でよくある「さっきから DDD とか SQL とか言ってるけど、正直忘れた」みたいな瞬間にさりげなくアシストしてくれる。Prep Notes に資料を入れておけば、商談中に質問が来た瞬間に答えが視界に出る。後で文字起こしと要約も確認できる。

これこそが「知性の拡張」だと思っている。スマートグラスがあって初めて成り立つ機能で、スマホでは絶対に再現できない。会話中にスマホを取り出して文字起こしアプリを起動するなんて非現実的だが、メガネが視界の端で静かに補助してくれるなら自然だ。

Rokid Glasses にもライブキャプションはある。だが「用語を解説してくれる」レイヤーまではない。マイクと AI の素材は揃っているのだから、Rokid にもこの方向の機能を実装してほしい。マジで頼む。

なぜ「引き算」が正解なのか:iPhone の歴史を振り返る

ここまで Even G2 の引き算思想を褒めてきたが、「なぜそれが正しいと言えるのか」を説明しておきたい。スマートフォンの歴史を振り返るとよく分かる。

iPhone は初代でカメラ1個、ステレオスピーカーなし、3G にすら最初は非対応だった。それでも革命だった。

Apple がトリプルカメラを載せ、LiDAR を載せ、ステレオスピーカーを搭載したのは、基本的なスマートフォン体験が完成してからだ。iPhone8までは単眼カメラ。そこからiPhone Xでカメラが増えたのだ。iPhone8ではバッテリーが十分に1日持ち、重さが許容範囲に収まり、画面が綺麗で、通信が安定し、防水性能が上がった。土台ができてから差分機能が乗っていった。

カメラを増やすのは進歩のおまけだ。本質ではない。

スマートグラスは今、ようやく iPhone 3G くらいの位置にいる。バッテリーと重量という土台の戦いに、まだ決着がついていない。この段階でカメラとスピーカーを載せるのは順番が違う。

Even G2 はその順番を理解している。引き算をして、まず「毎日着けられること」「視界に情報が出ること」を完成させようとしている。だから36g、最大約2日のバッテリー、毎日使い続けられる装着感が成立する。

Rokid Glasses は逆をやった。できることを足す方向に振り切って、毎日使う前提を後回しにした。順番が違うのだ。これは信念の違いだ。Rokid Glassesは未来に賭けているのだ。バッテリーも重量も、それらが解決する未来を見て作っているのだ。そう、私は感じる。

それでもカメラに未来を感じた一瞬:顔認識

ここまでスマートグラスのカメラ機能について批判的立場を取っていたが、もちろん未来を感じさせるものがある。

次に買う予定の INMO Go3 は、カメラと AI を使って目の前の人の顔を認識し、その人の名前を視界に表示する機能(AR Social Business Card)を中国本国版で発表している。オフライン処理でデータはローカル保存、というプライバシー設計らしい(英語版公式ページには現時点でまだ未掲載)。

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これは本当に神機能になる可能性がある。

私は相貌失認とまではいかないが、他人の顔を覚えるのが苦手だ。2、3回も会えばさすがに覚えるが、それまでは正直厳しい。美容師さんなんて、毎回前回と同じ人なのか分からなくて、毎回探りを入れている始末だ。「前回ありがとうございました」って言っていいやつか、初めましてのテンションでいくべきか、毎回脳内で計算している。

幸い、私の周りの人間はクセが強くて、遠目で見ても服装や所持品で誰か一瞬で分かる人が多い。なので今のところ生活で大きく困っているわけではない。ただ、顔そのものを覚えるのが弱い人間として、これがスマートグラスで補えるなら確実に救われる場面はある。「あ、○○さん、お久しぶりです」と言えるか「お、お久しぶりです……」と言うかで、その後の関係性まで変わる。スマートグラスがここを支えてくれるなら、カメラの存在意義は私の中で一気に跳ね上がる。

「カメラじゃないとできないこと」がちゃんと提示されれば、カメラ付きスマートグラスへの評価は変わる。今の Rokid Glasses にはそれがない。というかこれを提示できるスマートグラスが現状ない。カメラがあっても、できることはスマホでもできることばかりだ。

INMO Go3 にも大きな期待はしていない。実物が出るまで分からないし、プライバシー規制で機能が削られる可能性も十分ある。それでも顔認識だけは絶対に確かめる。これだけはカメラ付きスマートグラスが進む方向として、ちゃんと意味があると思っているから。

誰が買うべきか

ここまで散々書いてきたが、結局のところ諸君が知りたいのは「で、俺はどれを買うべきなんだ?」だろう。私のスタンスを書く。

普段からメガネをかけている人 → Even G2 + R1 一択

Even G2激推しがRokid Glasses買ってみたの写真 28

迷うな。Even G2 を R1 セットで買え。Apple Watch はもう不要になる。

メガネユーザーにとっての Even G2 の価値は、「毎日かけているメガネがそのままスマートデバイスになる」ことだ。通知、ナビ、翻訳、Conversate、健康トラッキング。これらが視界の中で完結する。スマホを取り出す回数が確実に減る。

度数の対応範囲も広い。単焦点で −12.00 から +12.00 までカバーしていて、近視・遠視・乱視を問わず大半のメガネユーザーが処方箋ベースで注文できる。私はド近眼の度数で注文していたが、ちゃんと出来上がってきた。

そして R1 をつけることで、メガネに触らずに常時操作できる。Apple Watch でやっていた通知確認やコントロール系の操作は、R1 で全部できる。腕時計を外せる。手首が軽くなる。

寝るときに専用ケースに放り込めば朝には満充電、というサイクルも理にかなっている。スマートデバイスの充電を意識する瞬間がほぼゼロになる。「メガネを外す=ケースに戻す=勝手に充電される」が一連の動作として自然に組み込まれる。Apple Watch でやっていた「寝る前に外して充電器に置く」みたいなひと手間が、メガネユーザーの生活ではもともと習慣化しているからだ。

メガネユーザー時代の私は、Apple Watch を完全に Even G2 + R1 に置き換えていた。後悔は一切ない。

裸眼の人 → 強いて買うなら Rokid Glasses の方が比較的おすすめ

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裸眼の人に現在のスマートグラスを強く勧める気はない。これが大前提だ。

普段かけないメガネを「スマートデバイスのために」かけるのは、コストとリターンが見合わない。視界に情報を出せる価値はあるが、その対価として「メガネをかけ続ける日常」を強いるのは、メガネユーザーじゃない人にとっては大きすぎる負担だ。AirPods + スマホで大半のことは解決する今、わざわざメガネ型デバイスを足す積極的な理由は弱い。

局所的な最適という話であればプレゼン発表や海外登壇みたいなシーンのために使うというのは一つあると思う。そのために10万円近く出せるのであればの話だが。余談だが私の友人には国際学会発表が不安という理由でEven G2を購入したので、そういう需要はあると思う。

その上で、どうしてもスマートグラスを試したい・買いたい裸眼の人には、比較的 Rokid Glasses の方がおすすめだ。カメラとスピーカーがある分、「常時かける」を前提にしない使い方ができる。撮りたい時だけ、AI に聞きたい時だけ、そういう断続的な使い方と相性が悪くない。Even G2 は常時かけてこそ価値を発揮するデバイスだから、裸眼の人が「ガジェットとして時々使う」用途には Rokid Glasses の方がハマる。

ただし繰り返すが、強くは勧めない。あくまで「比較すれば Even G2 より裸眼向き」というだけの話だ。

裸眼の人がスマートグラスを買うべき瞬間が来るとすれば、それは「カメラじゃないとできないこと」(前述の顔認識などの独自体験)が決定的なレベルに達した時だ。今ではない。

結局 Rokid Glasses の優位点とは

念のため整理しておく。Rokid Glasses が Even G2 に対して持っている優位点は、実質カメラとスピーカーだけだ。それ以外はほぼ全項目で Even G2 の体験のほうが私には合った。

  • バッテリー持ち:Even G2 の半分以下

  • 重量:13g 重い

  • テンプル操作の体験:光沢で指紋、タップで毎回起動

  • 装着の細部:ノーズパッドの大きさ、フィット感の選択肢

  • 操作デバイス:R1 相当なし

  • 会話サポート:Conversate 相当なし

カメラとスピーカーが要らない人にとって、Rokid Glasses を選ぶ理由はない。逆に「どうしてもカメラとスピーカーが欲しい」「断続的な使い方をしたい裸眼ユーザー」にとっては、Even G2 より良い選択になりうる。選び方の軸は、カメラとスピーカーが要るか要らないか、ただそれだけだ。

日常的に使いやすさという点で言えばEven G2のレベルが高いのはXR・ARイベントでのアンケートを見ると顕著にわかる。毎日使っているスマートグラスはEvenだけだ(XREALは今回の解釈ではスマートグラスではないので、除いている)

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まとめ

Rokid Glasses が悪いプロダクトだという話ではない。今のスマートグラスというカテゴリで、カメラとスピーカーを載せるコストが見合っていないという話だ。

  • Even G2:ディスプレイのみ → 36g、最大約2日、装着の細部が完璧、R1 で常時操作。洗練された体験

  • Rokid Glasses:ディスプレイ+カメラ+スピーカー → 49g、実用5〜7時間、指紋のつきやすさなど体験が荒削り

  • Ray-Ban Meta:カメラ+スピーカー、ディスプレイなし → AirPods + Siri からの飛躍が弱い

カメラとスピーカーを載せるのは、バッテリーと重量という土台の戦いが終わってからでいい。その順番2沿っているのが Even G2 だ。

最後に余談。

私はもともとメガネユーザーで、Even G1 から G2 まで毎日かけてきた人間だ。ところが先月、ICL(眼内コンタクトレンズ、約50万円)を受けた。今は裸眼だ。理由はシンプルで、もっとスマートグラスを買うため。ICL に50万円使えば、生涯コストでスマートグラス代がペイすると本気で計算してやった。

ICL の結果、視力が変わり、度入りで注文してあった Even G2 がフィットしなくなった。今は届いたばかりの Rokid Glasses をメインで使っている。皮肉な話だ。「Even G2 推し」を書く人間が、Even G2 を語る記事を書きながら、当面は Rokid Glasses で過ごしている。

それでも結論は変わらない。Even G2 の度なしモデルを買い直す。それで完全に G2 へ戻る。今月は ICL の支払いでクレカが止まっているので、来月だ。届いた瞬間にまた R1 を指にはめて、テンプルすら触らずに通知を流していく日常に戻る。

次は INMO Go3 も買う。顔認識を確かめるためだけに。

スマートグラスは絶対に来る。これは確信している。ただ、その答えは「全部載せ」ではない。今は引き算が正解の時代だ。


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