コラム
ビクトリア州の学校は、スマートグラスをどこまで外すのか
ギズモード・ジャパンが伝えたビクトリア州の学校での禁止を、州の方針ページと突き合わせて読む。カメラのない日常用グラスまで同じ線に入るのかが気になる。
学校でスマートグラスがどこまで外されるのか。ギズモード・ジャパンが、オーストラリア・ビクトリア州の話を短くまとめている。
禁止の理由は、盗撮やカンニングだけには見えなかった。学びへの集中と、保護者が安心できる環境、という説明だ。興味深いのは、その線がカメラ付きだけなのか、表示だけのメガネにも届くのかだ。
ギズモードが伝えたのは、2027年からの生徒の禁止
ギズモード・ジャパンは、ビクトリア州が州内の公立・私立・カトリック校で、生徒によるスマートグラスの使用を2027年から禁じると伝えている。教育合宿も対象に含まれる、という。
スマートグラス、またしめ出される。オーストラリアの一部学校で全面禁止に
記事が引く、教育大臣Gabrielle Williamsのプレスリリースはこう訳されている。
スマートグラス禁止の理由は単純明快。生徒は学びに集中すべきであり、教育環境で子どもたちが安全かつ尊重されて過ごせていると保護者が安心できるようにするためです。スマートグラスを教室、学校に持ち込むべきではありません。
同じ記事は、SATの試験中の禁止や、フロリダ、マサチューセッツ、ユタの学校ルールにも触れている。オーストラリアが16歳未満のSNSに厳しいことにも触れ、日本でもそのうち議題になるかもしれない、と書いている。その見立ては、私にも自然に読めた。カメラが顔に付く道具が広がれば、子どもがいる場所で先に線を引きたくなる。こういう流れになりそうだと思う。
州の方針ページでは、公立校の大人も対象になる
ギズモードの記事は、生徒の禁止を中心に書いている。州教育局の方針ページを開くと、公立校についてはもう一段広い。
Smart Glasses and Covert Filming Devices(ビクトリア州教育局)
方針は2026年10月20日に発表され、公立校では2027年1月27日から効く、とページにある。学校の敷地と、キャンプや遠足などの学校行事で、スマートグラスと隠し撮り用の機器を着けたり使ったりしない。対象には生徒のほか、教職員、保護者、訪問者も含まれる、と読める。
定義もカメラだけではなかった。方針ページはスマートグラスを、メガネとして掛けられ、デジタル情報を送る、受ける、保存する、記録する、処理できる機器、と書いている。障害のある人への合理的配慮で、ほかの手段では代替できない場合の例外はある。
パンジャブの30日規制は、Dawnの報道ではカメラ付き眼鏡の使用と販売が対象だった。期間も限られている。Reutersは、市場が伸びる一方で欧州の規制や学校利用への懸念を取材している。同じ「学校」でも、線の引き方はまだ揃っていない。
Punjab govt bans use, sale of camera-enabled smart glasses for 30 days
EssilorLuxottica’s smart glasses boom runs into tougher regulatory scrutiny
カメラがない毎日用も、定義の中に入りうる
私の毎日用はEven G2だ。カメラはない。通知や翻訳を、顔の前の小さな表示で見る。人前で「今、撮っているのか」と疑われにくいのが、この形を選んだ理由の一つでもある。
それでも、ビクトリア州の公立校の定義をそのまま当てはめると、表示を受け取るメガネもスマートグラスに入る。カメラがないから対象外、とはこのページからは読めない。方針が心配しているのは、同意のない記録と、それが普通のメガネに見えることだ。そこはもっともだと思う。記録しない表示だけの道具まで同じ棚に置くかどうかは、これからの線引きだ。
日本の学校ルールを、ここで新しく調べたわけではない。ギズモードが書くように、大々的な禁止はまだ話題の中心ではない。議題に上がるなら、先に聞きたいのは「カメラがあるか」だ。撮れるなら、同意と、子どもがいる場所は分けて考えたい。表示だけなら、電話をしまうルールの隣に置くのか、メガネとして残すのか。その違いで、毎日かける道具の意味が変わる。
Rokid Glassesのようにカメラが本体にあるものは、撮影の基準機として私は見ている。学校や、知らない人が多い場所では、そのカメラが先に問われる。Even G2のようなカメラなしとは、置かれる棚が違いそうだ。
Even G2
Rokid Glasses